発症リスクと詳しい症状について解説していきます。

FIPという病気全般についてはコチラ

発症リスクについて

発症年齢の多くは、生後6か月~18カ月齢の若い猫ですが、

生後2か月齢の子猫でも発症しますし、11歳齢の老猫でも発症します。

性別の違いによる発症リスクの違いは確認されていません。

猫種では、以前は純血種の方が発症リスクが高いと言われていましたが、雑種の猫でも多くの発症を認めていますので、明らかな違いは確認できないものと考えています。

症状

発熱し、通常の風邪治療に反応しないことが多いです。

5日以上続く原因のわからない発熱の場合にはFIPを考えてもよいかもしれません。

通常40℃以上の発熱を確認できます。少し下がっても39℃以上の発熱が続き、体力を奪っていきます。

元気がなくなり、食欲も低下することがほとんどです。

急激に削痩し、体重が低下することも特徴のひとつです。

体調の悪化とともに、黄疸が出てくることが多く、黄疸が出ると、オシッコが黄色くなったり、白目や皮膚が黄色くなったりしてきます。

ウェットタイプ

腹水が貯まるので、お腹がポッコリと出てきます。

腹水が貯まり過ぎたり、胸水が貯まったりすると、呼吸が苦しくなり、呼吸が速くなることがあります。

腹水が貯まると、下痢しやすくなります。

ドライタイプ

明らかな見た目の変化はありませんが、脱水が見られることが多いです。

神経症状

神経症状が出ると、足がふらつくことが多いです。後ろ足がなんとなく力が入らず、ふらついたり、猫らしくなく、ドシドシとした歩き方になる子が多いです。神経症状が進むと、眼振という目が上下左右に揺れる症状が出たり、全身痙攣が起きることもあります。

眼の症状

目に症状が出ると、眼の中に濁りや出血が出ることがあります。ブドウ膜炎という症状です。さらに悪化すると、ブドウ膜炎から緑内障になり、痛みで眼をしょぼしょぼさせたり、眼自体が大きくなることもあります。

進行度合い

ウェットタイプは、初期から腹水が貯まるタイプのことを言いますが、ドライタイプも進行すると、腹水が貯まったり、神経症状や眼の症状を併発することがあり、これを混合タイプと言います。

一般に、混合タイプの方が病気が進行している状態であり、治療が困難になるケースが多いですので、できるだけ早期に治療が開始できるのが望ましいです。

気を付けたいこと

熱がなかなか下がらない、元気なずっとない、食欲がない、貧血が進んでいる、

おしっこが黄色い、眼が黄色い、お腹が張ってきた、眼が揺れている、眼に濁りが出てきた、

など気になることがあったら当院に相談してください。