🐾 はじめに
猫の寿命が延びるにつれて増えている病気のひとつが、「慢性腎臓病(CKD)」です。
特にシニア猫に多く、研究によっては10歳を超える猫の約30〜40%が腎臓病を抱えていると報告されています(Kongtasai, Chronic kidney disease in cats: Epidemiology, risk factors and clinical aspects, 2020)。また、12歳以上の猫で約28%、15歳以上では約31%に腎臓機能の異常が認められたとの報告もあります(Lawson, Renal fibrosis in feline chronic kidney disease: Known mediators and mechanisms of injury, 2014)。
つまり、猫の腎臓病は決して珍しい病気ではなく、特に高齢猫にとってはとても身近な病気だと言えます。
🐾 猫の慢性腎臓病とは?
腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する大切な臓器です。
慢性腎臓病とは、この腎臓の機能が少しずつ低下していき、回復することなく進行していく病気を指します。
治すことは難しいですが、「進行を遅らせてあげること」こそが最大の治療目標となります。
🐾 猫の腎臓病・初期症状に気づくには?
飼い主さんが日常生活で気づけるサインは以下のとおりです。
- 水をたくさん飲む(多飲)
- おしっこの量が増える(多尿)
- 少しずつ体重が減る
- 食欲が落ちる
- フードの選り好みをし始める
「年齢のせいかな」と思ってしまいがちですが、これらは猫の慢性腎臓病の初期症状かもしれません。
特に、今まで何でも食べていた猫が急にフードの好き嫌いをするようになった場合は要注意です。

🐾 猫の腎臓病を早期発見するための検査
慢性腎臓病は早めに見つけることで、その後の寿命や生活の質が大きく変わります。
動物病院では以下のような検査で腎臓の状態を確認します。
- 血液検査(クレアチニン、BUNなどで腎臓のろ過機能をチェック)
- 尿検査(尿比重やタンパクの有無を確認)
- 血圧測定(腎臓病と高血圧は密接に関係)
- 腹部超音波検査(腎臓の形や大きさ、内部の状態を観察)
これらを組み合わせることで、猫の腎臓病を早期発見することが可能になります。
🐾 自宅でできる腎臓病ケアのポイント
猫の慢性腎臓病では、自宅でのケアや投薬管理が最も重要です。
- 腎臓用フード:療法食は進行を遅らせる効果が証明されています
- 腎臓ケアサプリメント:リン吸着剤や抗酸化作用のある成分などが補助的に役立ちます
- 腎臓病の進行を抑える投薬:必要に応じて獣医師が処方します
- 定期的なメディカルチェック:数か月ごとの検査で変化を早めに察知
とはいえ、すべての治療を完璧に行うのは難しい子もいます。
お薬を飲むのが苦手な猫
通院が大きなストレスになる猫
こうした場合には、その子に合った無理のない治療や管理方法を選ぶことが大切です。
「できることを継続する」ことが、猫にとっても飼い主さんにとっても一番の安心につながります。
🐾 まとめ
猫の慢性腎臓病はシニア猫にとても多い病気
初期症状は「多飲・多尿・体重減少・食欲低下・フードの選り好み」
早期発見には血液検査・尿検査・血圧測定・超音波検査が有効
治療の基本は「自宅での療法食・サプリ・投薬・定期チェック」
すべてを完璧にではなく、その子に合った方法を無理なく続けることが大事
猫の慢性腎臓病は、適切なケアで進行を遅らせ、猫の生活の質を大きく守ることができます。
「年齢のせい」と見過ごさず、小さな変化に気づいたらぜひ早めに動物病院にご相談ください。






